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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2011年 4月


    

4月3週号
【香美市】シイタケ菌床 最高の高圧殺菌釜導入

 香北町菌床生産組合(香美市香北町大井平)では、最新の高圧殺菌釜を導入し、シイタケの菌床ブロックを生産している。この菌床釜は、従来の釜より菌床生産時間が短縮できるうえ、菌床やシイタケの品質が向上したことから、地元のシイタケ生産農家は期待を寄せている。


▲高圧殺菌釜に菌床の棚を入れる平山専務
▲導入した高圧殺菌釜
 香北町菌床生産組合は、1991年から稼働している殺菌釜が老朽化したことに加え、菌床を生産するのに取扱責任者が付きっきりで作業をする必要があった。このため同組合の平山貴雄専務(49)は、「効率を上げるため3回ほど圧力殺菌釜を改造したが、思うような菌床ができなかった」という。 
  香北町の基幹産業であるシイタケ栽培を続けたいとの思いから、香美市の援助を受け、2010年3月に最新式の高圧殺菌釜を2基導入した。
 菌床は、広葉樹の木材チップ(90%)とおがくず(10%)を混ぜ合わせて専用の袋に詰め、釜で高圧殺菌する。これを冷却し、種菌を植え付け。サイズは、縦12・3a、横20a、高さ15aで、重さは2・8`と高齢者や女性でも取り扱いやすい。菌床を作る工程は、ほぼ自動化された。
 一度の工程で1152個生産でき、以前の釜よりも約100個増加。「年間200回稼働すると、1カ月分は増量できることになる」と平山専務は話す。
 菌床1個の値段は、原料コストが上がり、完熟培養(シイタケがすぐに生える菌床)で277円。1次培養(購入後40日程度寝かす必要がある菌床)は257円で販売している。「菌床1個につき平均7パックを生産していたが、今回の完熟菌床は品質がよく、9パック分の生産を目標にしている」という。
▲「扱いやすいので、シイタケ栽培が楽しくなりました」と小松さん

 この菌床を使用しているのは、農事組合法人 香北椎茸組合(組合員8人)のほか個人の3戸の農家。
 菌床栽培歴18年の同町の小松和子さん(71)は、248平方bの施設に5400個の菌床を設置している。「納品された時の袋付きのまま栽培できるし、今までよりも注水するまでの期間が2カ月も延びて、管理も楽になりました」という。
 シイタケの形が良く肉厚になり、規格外の小さいものが減ったことが、生産する上で大きなメリット。「収穫量は7月でないと分かりませんが、販売額が増えています。力仕事が少なく、女性でも栽培できます」と小松さんは喜ぶ。

香北町菌床生産組合では、一般農家向けの販売も実施
▽4〜5カ月前までの予約が必要
▽連絡先=0887・58・5008

(武内由佳)




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