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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2013年 8月


8月1週号
【高知市】交流を満喫 野菜ソムリエ/長崎雅代さん

 高知市春野町内ノ谷「ファーム・ベジコ」の長崎雅代さんは、「野菜ソムリエ」の資格を取得し、自家栽培した野菜を通じての交流活動(ベジタブル・コミュニケーション)に積極的に取り組んでいる。

「面積が小さいですが、そのときどきのおいしい野菜を届けています」と長崎さん

 長崎さんは、夫の文晴さん(45)が脱サラし、親戚のキュウリ栽培を引き継いだのをきっかけに12年前に就農。現在、ビニールハウスでキュウリ24e、バジルなど約40種のハーブや野菜を10e、水稲150eを栽培している。
 農業をはじめると、日々の労働であっという間に1年が終わってしまうと感じていた長崎さん。「もっと楽しく農業ができないか」、と考えていたときに、「野菜ソムリエ」のことを知り、生産だけではなく、流通や消費、野菜等の知識を深めるために勉強を始めたという。
 農場名も「野菜を通じて交流(ベジタブル・コミュニケーション&コラボレーション)ができるようにとの願いを込めて、親しい友人が付けてくれました」と長崎さんは笑顔で話す。
 2004年に「ジュニア野菜ソムリエ」の資格を取得、07年には「高知の野菜ソムリエ」の認定も受けた。生産した野菜や果物などは、ホテルやレストランなどに出荷するほか、講演活動や学校での食育活動など、高知の食材を通じてのベジタブル・コミュニケーション活動を展開している。
   

出荷先の要望で栽培を始めたハーブ。ハウスと露地で年に4回収穫する
 生産・販売の主体はキュウリだが、「冬場にバジルの入荷が少ないので、栽培できないか」という出荷先からの要望があり、バジル栽培もスタートさせるなど、
出荷先の要望にも応え、栽培する野菜も増やしてきた長崎さん。
 取引先での評判も良く、紹介などで出荷先も増え、現在は高知市内のレストラン等を中心に東京や大阪の料理店にも出荷している。「実際にその野菜を使った方の声が聞け、食べてどうだったのかを聞けるのが重要で、そのニーズに応えられるように努力している」という。
 5月に開催された日本野菜ソムリエ協会(本部・東京)主催の品評会「野菜ソムリエサミット」では、出展したキュウリが、食味評価部門(全国から20点が出展)の1位に輝いた長崎さん。「今後も、お客さんから求められるもの、おいしいものを届けたい」と意欲をみせている。


(掛水勇雄)
    
   

8月3週号
【四万十町】リキュウソウ 周年出荷を目指して/武山寿治さん


    
周年栽培に向けて研究中という武山さん


「色が命なので、緑色を鮮明にするのと葉っぱの大きさをニーズに合わせて微妙に調整するのが難しい」と話す四万十町金上野の武山寿治さん(55)は、4年前から県内でも珍しい「リキュウソウ(利休草)」をハウス栽培しており、東京や大阪に出荷している。
 リキュウソウは「ビャクブ(百部)」の別名で、江戸時代に中国から渡来した後、殺虫剤や虫下しといった薬用として栽培されていた。近年では切り葉として流通するようになり、生花店でブライダル用や茶花として広く利用されている。




アレンジされたリキュウソウ

 栽培は2月に定植し、4月下旬〜6月に収穫するが、武山さんは、冬場の収穫などにより周年出荷ができるように研究中だ。
 「個人出荷なので、都会の市場を観察したり知名度や信用を上げたりするのは大変。だけどその反面、やりがいはありますね」と武山さん。
 今後は「ハウスの被覆材や温度調節などを試行錯誤しながら、安定供給に向けて頑張っていきたい」と話してくれた。


(武吉健二)





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